何とかしたい!つらい肩こり

何とかしたい!つら肩こり-肩こり発生のメカニズムと治療法についてご紹介しております。

 肩こりがあると仕事や家事にも影響し、毎日つらいですよね。そのストレスによって、さらに重症の肩こりを引き起こしてしまうことにもなりかねません。
 肩こりになると、どのような痛みがあらわれるのでしょうか?
 本稿では、主な症状と肩こりを引き起こす原因、それに当院での治療について説明させていただきます。

肩こりってどんな症状?

 肩こりとは、 肩から首の周辺の筋肉が緊張し、重く感じる状態のことをいいます。「痛い」「重い」「苦しい」「だるい」「張っている」「ジンジンする」「冷たい」など、人によって感じ方もさまざまです。
 さらに、感じ方だけでなく、肩こりになる原因も人によっ て異なります。長時間の無理な体勢や肥満、なで肩といった体型の問題、生活習慣、老化、ストレスなど、いろいろな理由から肩こりは起こるのです。

 肩こりの原因が 一人ひとり違うとなると、対処法もおのずと変わってきます。それぞれの原因に合った治療・対処を行うことが大切です。

 肩こりは背中の一番表面にある筋肉である僧帽筋(そうぼうきん)エリア、とくに肩上部から痛んで慢性化する場合が多く、 進行すると痛みを感じる部位が広がっていきます。筋肉が緊張している状態が長く続くとインナーマッスルにまで「こり」が拡大し、筋肉がこわばって芯からくる重い痛みを感じるようになります。

 部位によっても痛みの感じ方が異なります。①首から肩上部にかけてのこりは重いものが乗っているような違和感、②肩甲骨と脊柱の間のこりは肩甲骨の内側の際に鉄板のような硬いものが入った感じの痛みであることが多いようです。

ちなみに、重い痛みを放っておくと緊張性頭痛や顔面、上肢(肩から手の部分)の関連痛が併発することもあるので注意が必要です。頭部全体の筋肉が緊張し、頭痛、目の奥の痛み、肩から手の痛みやしびれなども起こる可能性があります。

肩こりの原因

 肩こりの大きな原因として次の4つのことがあげられます。

ずっと同じ姿勢を保っている

 長時間本を読んだり、デスクワークをしたりしているとき、ほとんどの人が首を前に突き出し、両肩がすぼんだ姿勢になっています。この姿勢では首から肩の筋肉が緊張し、疲労を感じるため、血流が悪くなり肩こりを起こしてしまいます。

眼精疲労

 細かい文字を読み続けていると、目やその周りの筋肉が緊張し、肩や首も同じように緊張することで、肩こりになります。
 また、まばたきの回数が減るとドライアイになり眼精疲労を起こし、肩こりの原因になることもあります。

運動不足

 血液は心臓のポンプ作用により全身に運ばれていますが、 実は心臓だけでなく、筋肉の収縮と弛緩の作用にも同じく血液をめぐらせる働きがあります。筋肉は血液を送るポンプの役割があるので、運動不足になると筋力が低下し、血液を送り出す力が不足するため、血流が悪くなります。すると新鮮な酸素や栄養分が十分に伝わらす、疲れやすいうえ、肩こりになりやすい体になってしまいます。

ストレス

 日々のストレスは強く感じるほど全身の筋肉が緊張し、肩とりの原因である抗重力筋の緊張も免れません。
 さらに強いストレスは血管自体を収縮させてしまうので、 筋肉に中で血流障害が起り、筋肉疲労から肩こりになるのです。

 ほかにも、肩が前方に捻りこむ「まき肩」や側湾症など姿勢力が悪かったり、肥満、体の冷え、枕が合っていない、メガネの度が合っていない、老化による筋肉低下、四十肩、貧血、低血圧、内臓疾患、噛み合わせなど首、肩以外の体の不調も肩こりの原因になります。

肩こりの治療

 肩こりには、ほかの病気に関連して発症するケースもあるので、つらい肩こり、頭痛、手や腕の痛みやしびれ、口が聞きにくいなどの場合は医療機関での検査を受けることをおすすめします。当院では問診や検査の結果、症状に合わせて以下のような治療を行っていきます。

マッサージ療法

 肩こりの多くが血行不良からきているものです。マッサージ療法では筋肉の血流を改善し、筋肉の緊張をやわらげることで肩こりを緩和させます。

温熱療法

 血行をよくするには温めることも有効です。 温熱療法では音波や温湿布などを使って患部を温めていきます。

運動療法

 筋肉の緊張か改善に役立つのが運動療法です。
 肩こりに効くストレッチや日常生活の指導が行われます。

筋弛緩剤や鎮痛消炎剤などの薬剤を使用

 肩こりが出ているときは、肩周辺の筋肉が緊張し、血流も悪くなっています。この筋肉の緊張をほぐすために使われるのが筋弛緩剤です。肩こりの場合に使われる筋弛緩剤は効果が緩やかなものが使われます。
 鎮痛消炎剤は血流が悪くなっている部分に発生する、痛みを起こす物質に効果を発揮する、いわゆる「痛み止め」です。

局所麻酔剤

 肩こりを起こしている部分の筋肉に局所麻酔剤を注射することで、筋肉の中の血管が拡がり、血流が改善されます。血流がよくなることで、凝った部分の疲労物質や痛みのもととなる物質が洗い流され、肩こりが軽減します。